空を飛ぶ為には空気抵抗に勝る推進力が必要です。羽根を回すことで集められ圧縮された空気を、熱で膨張させ排気することで、鉄の塊でも空に飛ばすことができるのです。ジェットエンジン、ロケットエンジンで利用される羽根には、灼熱の炎の中でも長時間耐えられる材料が使われています。国産のロケットや航空機で利用される羽根を作るためには、タフな材料にしっかりと形をつくり、さらに整えなければなりません。
航空・宇宙
よく使われる製品
工具がないと金属の形はつくれない
誰よりも正確な工具をつくる
スイス ロロマティック社
切削工具製造システム
金属は、それより硬い金属の工具で削ることで少しずつ形になります。金属で設計通りの形をつくるためには、金属を削る工具が正確につくられていることが大事です。つまり、良質な工具があるからこそ、いいものづくりができるという訳です。腕のいい料理人が道具である包丁にこだわり、おいしい料理を作ることに似ています。工具は、航空・宇宙、自動車、エネルギー、時計、医療、電子機器の業界でも多く利用されていますが、特に航空・宇宙のジャンルは最も工具を消費する業界であり、金属は灼熱の炎にも負けない材料が求められます。さらに頑丈さも重要です。小さなパーツを作って組み合わせるのではなく、大きな金属の塊から最終的な形になるまで工具で削りだすのです。世界中の精密な工具は、ロロマティックの機械で作られています。
航空・宇宙の
タフな部品の形をつくる
工具が減らない魔法の機械
フランス ペムテック社
精密電解加工機
金属の形を作る方法は工具や石で削ったり、熱で溶かしたりする方法が一般的です。どの工法にも共通していることがあります。それは形作られる金属も減るけれど、形を作る工具や石、熱で溶かす発熱体も少しずつ減るということ。炎にも負けない材料が求められる航空・宇宙の部品では工具はもっと擦り減ってしまいます。例えば、両手に乗るような大きさの金属から小さな羽根を工具で削る場合、1本1万円もする工具を100本使って、100時間かけて削り、ようやく1つの部品ができあがります。工具を消耗させずに10時間で同じものを作れるのが、塩水の中で金属に電気を流し形を作るぺムテックのマシンです。工具が減らないなんて魔法の機械のようですね。
石で羽根をピカピカにする
たかが石、されど石
ドイツ ワルサー トローバル社
バレル研磨装置
何ごとも忍耐強く継続することが大事です。石が少しずつ振動した結果、あら不思議! くすんでデコボコしていた金属もピカピカ、滑らかに。設計通りの美しい羽根は、触っても気持ちよく、回転しても空気抵抗を減らすことができます。金属には多様な種類や形があるため、石も色々な形と種類が必要です。ワルサートローバルは、部品に合った石を自社で作り提供しています。世界的な航空・宇宙のエンジン部品がワルサートローバルのバレル研磨装置で仕上げられています。