エタロンからは空間補正システムに加え、工作機械の精度をリアルモニタリングする絶対測長システムを紹介する予定です。
絶対測長システムには、大型部品を高精度に加工し機上計測するという課題に対し、「工作機械自らその幾何学的な偏差を特定し補正できないか」というエタロンのユニークな設計が生きています。欧州の先進製造研究センター、さらに大手重電メーカーで運用が開始され、ドイツの自動車メーカーにおいても導入が始まっています。
生産加工の業界誌「機械と工具」に掲載された絶対測長システムの記事の寄稿内容をダウンロードできます。
- 下記一部抜粋 -
スチームやガスタービンをはじめ、核融合エネルギー部品や自動車の金型、風力発電機のギヤボックス、航空機のタービンといった大型部品には厳しい公差が求められる。大物部品の多くは大型工作機械によって加工されるが、大型工作機械の加工精度は小中型機に比べてその精度確保が難しい。またこれらの加工機が設置されている環境は精度の維持の為に十分に整っているとはいいがたい。
エタロン社は、環境温度による機械変位を任意のタイミングでモニタリングし、加工や計測にフィードバックするシステムを発表した。本システムで特定された機械変位をワークの物体温度基準で必要に応じて補正することで、環境変化による加工誤差の影響を抑制し、オンマシン計測の精度を高める。「工作機械自らその幾何学的な偏差を特定し補正できないか」。もしそれが可能になれば、様々な環境下において、より高精度な加工が可能になるだけでなく、ほんの僅かな偏差や測定が極めて難しい非常に緩やかな機械の熱変位も正確にとらえて補正することができるようになる。
2010年に日本の工作機械メーカーに初めて導入された空間補正システム レーザトレーサシリーズは、これまで全世界で約200台が販売されています。日本でも工作機械メーカーの製造ラインに組み込まれ、ハイエンド加工機の標準機能としてエタロンの空間補正が精度向上に役立っています。
■ピッチ補正された工作機械の精度を大幅に改善
加工範囲中心部の誤差を改善するピッチ補正で製造された工作機械。その精度を大幅に向上させるエタロンの空間補正。5軸及び大型ワーク加工に多くみられる空間誤差には、直交3軸のエタロン補正が有効です。
■三次元測定機の座標補正システムを工作機械の機上ワーク計測に活用
三次元測定機メーカーが採用する補正システムを工作機械へも導入することで、機械精度の向上だけでなく、機上ワーク計測の信頼性を高めます。