2011年8月初版から早6年、2017年最終の12月号を迎えることができました。恒例ですが、今年のYKTかわら版で反響のあった記事を集めてみました。かわら版の一年を振り返るとともに、皆様にとって来年が良い一年になりますよう祈念します。
~ 70号「席があいていても座れない?」 ~
ドイツにはICEという高速鉄道があります。イーツェーエーとか、アイシーイーとか呼びますが、一度笑いながらアイスと呼ぶ方にも会ったことがあります。在来線と同じ線路を走るのでダイヤは乱れぎみですので、乗換えには注意が必要です。ICEは車両ごとに指定席、自由席の区別がなく、混在しています。チケットを購入するとき、割安な自由席のチケットを買っておいて、空いている席に座ることもよくあります。ある日、Stuttgartへの移動で空いている席があり座ろうとするとGGF. RESERVIERTと書いてありました。座ってはいけないと思い、仕様がなく立っていました。後で知ったことですが、これは予約席ではなく、座っても良い席だったようです。GGF.RESERVIERTはgegebenfalls reserviert(場合によっては予約の可能性があります)。つまり、空いていれば座ってよいことになります。知らないことはもったいないことですが、こういうことがあるから、少しドイツ語を勉強しようという気にもなるのでした。
表示板が空欄の場合、その席は空いているので、座って大丈夫です。
bahn.comfortは席が空いていれば、座っても問題ないです。
区間が表示されている場合、その区間だけの予約席なので、下の写真の場合、Stuttgart-ULMの区間以外は座っても大丈夫です。
■70号 OGP耳寄り情報「製品の裏と表の両側をワンチャック自動測定する事例の紹介」
OGP/QVI社 製品の裏と表の両側をワンチャック自動測定する事例の紹介
製品の裏と表の両側をワンチャック自動測定
製品の裏と表、両側の測定をワンチャックで自動測定する事例をご紹介します。測定には急勾配でも追従性に優れるTelestarTTLレーザ、ロータリデバイスと特殊な治具を活用します。裏と表に球形状の基準がついた治具を使用すると、回転誤差を抑制した測定が可能になります。球の測定時、カメラの画像測定とTelestarTTLレーザによる球形状の高精度スキャンが行われ、安定した基準が確保されます。
今回のワークは、下記の手順で測定し、製品表面、裏面の形状はレーザでスキャンしています。動画もご紹介していますので、ご興味ある方はご覧ください。
1. カメラで基準ボール位置測定
2. レーザで基準球スキャン
3. ワークをレーザで計測
4. ワークと治具の反転
5. 画像による基準球の計測
6. レーザによる基準球計測
7. ワークのレーザ計測
VIDEO
~ 74号「ゼロサン」 ~
スイスの取引先と英語で電話をしているときのことでした。これまでなんの問題もなく通じ合っていましたが、プログラムについて説明をし始めるとなぜか通じません。電話回線の調整が悪いのかなと思いながら、ゆっくり丁寧にはっきりと何度か話してみました。すると、その電話を聞いていた同僚達が笑い始めました。自分ではThis Program is No. zero three と言っているつもりでしたが、私の口からでた言葉はプログラムネーム イズ ナンバー ゼロサン。日本語で数字の0をゼロと表現しますが、頭の中のスイッチがどうも英語と日本語の境界線があやふやになり、ゼロにつられてスリーがサンになってしまったようです。これが私の限界なのかと思いながら思わず笑ってしまいました。
~ 71号「 席の予約がなぜかできない?」 ~
しばらく前の話ですが、南ドイツのシュトゥットガルト駅から高速鉄道ICEに乗ろうとしたときのことでした。電車の出発する40分前に駅に到着し、切符を買おうと窓口に並びました。
ドイツの鉄道窓口では、どのようにチケットを買ったら得になるか、時間をかけて窓口で相談する人が多く、窓口の列では長い時間待つことがあります。窓口で悩んだり、世間話をしたりしないで欲しいと思いますが、ここはドイツなので忍耐が必要です。電車の到着時間があと15分に迫り、私の番になりました。窓口で乗車券の購入と席の予約を依頼しました。ところが、「席は空いているが席の予約はできない」と良く分からない回答でした。どうして空席なのに席の予約ができないのか問い詰めたところ、車掌が予約席にReservierung(予約済み)の紙を差し込む時間がないとの回答でした。確かに紙で予約席を示すしか方法がない場合、車掌が紙を入れて回るしかありません。今でこそ、多くのICEが電光掲示板になってきていますが、まだ古い車体が残っています。スイスでもまだ多くの電車が紙で予約席を表示しています。席は空いていますが、予約はできませんということが、「日本ではないこと」と思うのでした。
■69号 製品ニュース「12ステーション式 CNCトランスファーマシーン」
リエロ社 12ステーション式 CNCトランスファーマシーン
継手・バルブ業界を中心に活躍するトランスファーマシーン。全駆動軸をCNC化し、各ユニットにタレットヘッドを搭載しました。自由度を重要視した12ステーションのTFL400は類似形状ファミリーワークの少・中量生産にも対応します。
~ 67号 「煮沸消毒は熱湯でしたい」 ~
タイのバンコクで開催された展示会にいってきました。展示会場にはフードコートがあり、現地の料理を中心に、中華系の食べ物、日本っぽい食事もありました。お盆に食事をのせてもらいましたが、箸がレジの近くに見あたりません。別のところにまとめておいてあるようで、取りに行ったところ、日本では見慣れないものがありました。左からお箸、レンゲ、スプーン、フォークが並んで置いてあり、その横にCaution Hotという注意書きとともに熱湯があります。お盆にのせる前に、熱湯にくぐらせて煮沸消毒するようです。皆しっかり、消毒しているようでした。やっぱり、衛生面は大事ですね。慣れない私もやってみましたが、熱湯に手がふれてしまいました。さぞHotかと思っていると、ぬるいくらいでした。いつからあるかわからないぬるいお湯の消毒は勇気がいりますね。ところで、ナイフがみあたりません。タイの方にきいたところ、スプーンがナイフ替わりなので、左手にフォーク、右手にスプーンを持ち、主にスプーンで食べるようです。フォークはスプーンで料理を小さくするときに、料理をおさえるときに使います。どうも、フォークで料理を刺して直接口にいれるのは行儀が悪いようで、あまりしない方がいいと言われました。すこし力がいりますが、スプーンでも確かに料理は切れるし、ごはんものが多いので、スプーンがあると確かに便利ですね。
場所がかわるとアプリケーションも変わるんですね。
~ 73号 「逃がし?はてなんのことでしょう。」 ~
今年の新入社員でNC旋盤研修を受講しました。課題はスチールのコマ制作です。こけしのような加工をする旋削でコマを作りました。コマの図面と格闘しながらプログラミングをしていると、講師の方から「逃がし」がないと指摘を受けました。
逃がし?はてなんのことでしょう。
こまの芯を加工するときに、刃物を逃がさずに、こまの芯の部分で刃物をとめてしまうと、きれいな芯形状を残すことができないとのことでした。つまり逃がしとは刃物の動作を増やすことで、なめらかな芯を加工することでした。
おかげさまで刃物を逃がすことで、わたしのコマはよく回るようになりました。
逃がすことも大事な場面があるのだと学びました。
ものづくりの現場では、普段利用しない言葉が多くあります。これからも日々勉強と思うのでした。
■67号 製品ニュース「ロロマティック機の無人運転をさらに推し進める強力なツールをご紹介」
ロロマティック社 ロロマティック機の無人運転をさらに推し進める強力なツールをご紹介
ロロマティック社製研削盤は精密工具を無人運転で加工する機械として評価されています。今回はローダキャパシティを押し上げるオプションをご紹介します。工具研削盤GrindSmart 629XS/XW、砥石軸数値制御スルーフィード式研削盤ShapeSmart NP3/ NP5に対応する新型の拡張カセット Eタイプです。合計6カセットを搭載するこの新オプションは―工具径にもよりますが―通常のプレート数2倍のローディングを可能にします。休日や夜間の無人運転もこのカセットが安心サポートします。
標準カセットタイプA、B、Cもこの新ベースカセットと互換性があります。
~ 69号「聞いてみるものだ」 ~
初めてインドネシアのジャカルタに出張しました。空港に到着し荷物を持ってゲートを出るとすぐ左側に両替所がありました。現地通貨の両替は現地でするのが良いと聞いたことがあるので、できるだけ現地で両替するようにしています。しかし、この両替所は4店も並んでいるので、どれがいいのか迷ってしまいます。さて、どうしたものかと思っていると、窓口の方が自分のところはレートが良いと猛烈にアピールしてきます。積極的にこられると、逃げたくなってしまうものです。その場を離れ他の両替所を捜してみることにしました。周辺ではここしかないらしく、仕方なく4店並ぶ両替所に戻りました。4店とも電工掲示板に表示されている日本のレートはどこも一緒の93 IDR(インドネシアルピア)。ためしに端の店に1円がいくらになるか口頭で聞いてみると93 IDR、やっぱり電光掲示板通りです。そのやり取りを見ていた隣りの店にもためしにきくと103 IDR、あれ、少しレートが良くなりました。これまでのやり取りをみていたその隣の店にも聞いてみると110 IDR、ますます良くなりました。そして最後の端の店も110 IDR。結局最後の店で両替することにしました。少し面倒ですが、こんなことで幸せを感じられるなら、聞いてみてもいいですね。
■77号 ユーザー様ご紹介 株式会社 高山医療機械製作所 様(東京都)
株式会社 高山医療機械製作所 様(東京都) -蓄積した技術を活かせるトラウプ機が製造する世界で評価される医療部品-
東京台東区谷中に本社を置く高山医療機械製作所は、上山式マイクロ剪刀を代表とする脳神経外科用手術器具の世界トップブランドに成長し、現在30か国以上にその製品が輸出されています。そんな日本を代表する医療器具メーカーの目に留まった機械が、当社の取り扱うドイツ インデックス社トラウプTNLシリーズ。医療器具の開発・製造が欧米を中心に進むなか、日本で医療器具の精密加工に取り組む同社社長、高山隆志氏に話を伺いました。
-日本の医療器具製造における課題-
日本人向けにカスタマイズしない状況に、日本の臨床現場から不満が募る
「医療器具は欧米から輸入し販売しているのが現状。欧米は臨床が速い分、器具や機械も日進月歩で開発されています。しかし、インプラントも手術器具も、欧米人向けで日本人の体形に合わせて作ることはしません。高齢者に大きなインプラントを使えば背中の縫合が出来ず合併症のリスクが高まるといった声が臨床現場から上がってきます。それでも欧米メーカーは全く意に介さず、欧米のものをそのまま日本で販売しています。日本人向けにカスタマイズしない状況に、日本の臨床現場から不満が募っていきました。」
-国産機の医療部品加工の問題点-
難削材が多いため国産機を使えば様々な問題が出る
日本の医療機器分野が欧米から遅れをとる中、国産の機械での「加工」における問題点を指摘します。
「果たして、日本で作るとなると、それらの材料はチタン合金や難削材が多いため国産機を使えば色々な問題が出てきます。例えばサイクルタイムが非常に長くなる、連続運転では寸法精度が出ない、チャックが滑って衝突するなど。
この問題を解決するには、機械の改造、部分的に加工プログラムを組む、特殊工具を作る、油や刃物を変えるといった必要性が生じてきます。24時間2人交代は生産性も悪いうえ、社員も疲弊します。基本的に医療部品は多品種小ロットなので、必然的にプログラム数が多くなり、管理も大変になります。日本の機械は切削能力が低いため、ツールパスのプログラムが非常に多くなり、プログラムの確認とセットアップに膨大な時間が取られてしまいます。」
-欧米の医療部品製造の現場で選択される工作機械との出会い-
2タレット、ガンドリル加工、B軸搭載、複合加工能力を1台に集約させたトラウプ機
国産機で「加工」の解決が難しいのなら外に目を向ける必要があると考えた高山氏は、医療部品の精密加工で名高いヨーロッパに足を運びます。欧米の工作機械メーカーを視察する中で機械レイアウト、複合加工能力の優位性を認めた高山氏はすぐにトラウプ社のスイス型自動旋盤を購入することを決めます。
トラウプ機スイス型タレット式複合加工機TNL32外観
トラウプ機TNL32加工エリア
トラウプ機加工時間例 カタログより
「スイス型旋盤で良い機械がないかと探している時にYKTのホームページでトラウプを見つけました。2タレットのレイアウト、ガンドリル加工ができる、B軸が付いている、複合加工能力を1台に集約させたトラウプ機を実際に見るべく、すぐにメーカー訪問を決めました。すでにチタン合金のワークで最小0.7mm、深さ約60mmの穴をあけることに成功していましたので、これまでに培った加工ノウハウがあればトラウプ機を即生産に使えると確信し実機を見てからその購入に迷いはありませんでした。」
高山医療機械製作所の工場内
-加工機の安定性がもたらす現場の効率化-
検査の質の向上が会社としての精度を底上げ
欧州の機械導入は製造と測定に相乗効果を生みます。そのポイントは加工の安定性でした。
「ヨーロッパの工作機械の値段は日本の2~3倍しますが、加工が安定していれば少ない人数で高い生産性を求めることが出来ます。加工現場の人手を減らし、検査にその余剰を回すのです。OGP測定機を導入してからCpとかCpkの値で部品の生産管理ができるようになりました。検査の質の向上が会社としての精度を底上げします。自分たちで開発して作ったものを世界に流通させる。チタンの加工であればOEMで海外のメーカーへの供給も可能です。国境を越えて企業活動をしようとするとISO13485と9001の認証取得を求められ、厳しい品質管理のもとに工作物の客観的評価のプロセス構築が必要となります。工作物の測定の自動化、データ解析による測定の効率化を行い、図面と同じものが確実に作られていることを証明します。それらの結果、欧米メーカーのグローバルサプライヤに認定されました。」
-周りの会社でよく使われているからという理由で機械を選ばない-
悩んでいたことがヨーロッパの機械で解決できる
「こんな機能が欲しいと思うものは、すでにトラウプ機に搭載されている」ことに驚かされます。
「インプラントの製作だけでなく自社開発でできることはいくらでもあります。
より複雑な加工が出来るようになればドクターへの提案も広範且つ緻密になります。ドクターが我々に期待している部分はそこなのです。私はこの仕事に18歳で就き30年以上になります。その過程で人事の育成、工作機械の選定も行ってきました。周りの会社でよく使われているからその機械を選ぶのではなく、自分たちで既存の機械を散々使い倒した上で今何が足りないか、これから何が必要なのかをまず考える。自分たちの要望を日本のメーカーに伝えても作ってくれない。だからヨーロッパの機械を見に行ってみようと。自分たちが加工で悩んでいたことがヨーロッパの機械だと全部解決できる。この加工ができると、次はこういった加工も出来るよねって発想が広がってくる。」
高山医療機械製作所製医療用ワーク
-医療現場にマッチしたモノづくりと基礎技術力-
ドクターと一緒に製品づくり
日本の医療現場での課題に対して解決策を提案する一方、常に先を見据えた設備投資をすることで一歩先の提案が可能です。ただしそれを実現できるのは技術の蓄積でした。
「我々は常にドクターと一緒に製品づくりをしています。実際に手術に立ち会い、今後の医療に何が必要であるかを把握する。但し、そのニーズに限定することなく、更なる先駆けの見識をもって機械を選定します。仮にひとつの仕事が終わったとしても、他の製品を作ることが出来る。しっかりとした治具が作れること、汎用機で加工できることが基本。汎用機で精度を出せないのに、NC機で精度を出すことはできない。3軸の汎用機械をきちんと使えて、体に切削理論を叩き込む、それで初めてヨーロッパの機械の能力を最大限に引き出すことができるというのが私の持論です。
よく国内ではチタンは難しい、難削材では寸法がでないという話を聞きますが、それはやり方次第ではないでしょうか。当社では直交する平面度で3μm以内です。」
-同業他社との違いを生むのは、技術力をベースに独自のものを追求し続けること-
機械加工と人が手で仕上げるところをきっちり分けることが大切
「インプラントや医療器具は人の体の中に入るものであり、医者の手が操るものでもあります。小さな部品に色々な機能をもたせ、手術の安全性から精密さも重要です。医療はチタンが当たり前。64チタンもステンレスも様々な材料があり特殊です。その加工一つ一つが全部経験であって、切削加工に妥協はありません。機械でなんでも加工してしまおうという考えもありますが、私は機械で加工するところと人が手で仕上げるところをきっちり分けることが大切だと思います。そうした方向性が結果的に良かった。結局、そこにしか生き残るところがなかったということでしょう。良い加工には全部理由があり、切削理論が分かった上で、自分たちで設計しトライアンドエラーを繰り返す。手仕上げを行うところ、アッセンブリするところを残して部品形状でどれだけ追い込むか。独自の技術、独自の製品、独自の設計から他社との差別化が生まれます。」
高山医療機械製作所製医療用ワーク
高山医療機械製作所
社長 高山隆志氏
-欧州の工作機械を評価する高山氏-
しっかりした剛性を持ち精度も優れている
「欧州の機械は設計思想が違います。ユニットを軽くして本当に動力で切る。重さで切るわけではないのです。日本の工作機械は重量のユニットを動かすのに動力を使うため重さはあっても剛性がない。欧州の機械は決してごつくない。コンパクトで華奢ですが、しっかりした剛性を持ち精度も優れています。機械を見るとヨーロッパの人はやはり切削をよく知っていると感じます。」
独自の視点・行動力・技術力で日本だけにとどまらず、世界の医療マーケットに活躍の場を広げている高山医療機械製作所の現場では、今日も世界の市場で評価されるトラウプ機とOGP測定機が活躍しています。
~ 77号「これなら自分で出来た」 ~
タクシーで目的地にいくだけでも、海外ではなかなか難しいと感じることがあります。海外出張中は、ホテルからタクシーを利用する時はドアマンにタクシードライバーに行き先を代わりに言ってもらったり、ドアマンがいないときはホテルのレセプションでメモ用紙に目的地を書いてもらいます。半信半疑でどこに行くのだと構えるタクシ―ドライバにも、メモを見せることで、老眼鏡をかけじっくりと紙を見つめ、分かったと相槌を打ち、目的地に連れて行ってくれます。先日台湾に出張に行った時のことでした。目的地は台北市の最も有名な建物の1つである101階建ての超高層ビル台北101です。この日もホテルからタクシーを利用するので、ホテルの受付で目的地を告げ、ドライバ用にメモを書いてほしいとお願いしました。受付の女性は何故か不思議そうな顔をしながら、それでも快く対応してくれました。彼女の手元を見てすぐに、「これなら自分でできた」と後悔するとともに思わず笑ってしまうのでした。
■74号 製品ニュース「電気加工学会主催講演会 ペムテック精密電解加工機の発表資料をダウンロード」
ペムテック社 電気加工学会主催講演会 ペムテック精密電解加工機の発表資料をダウンロード
2017年7月19日に東京大学の本郷キャンパスで開催された電気加工学会主催の電解加工技術の最前線でペムテック社精密電解加工機を紹介しました。電解加工は工具が減らない夢の加工として注目を集め、日本では1960年代に国産電解加工機が製造されました。ところが、放電加工などの他の加工工法の台頭、環境問題や放電加工技術の向上もあり1980年代には国産メーカーが撤退しました。日本では姿を消した電解加工は、ロシアを中心に欧州で発展を続け、電解加工が精密電解加工に姿を変えました。難削材、高硬度材などの材料の量産加工で威力を発揮し、自動車部品、造幣業界、シェーバヘッド加工、航空機の業界で活躍しています。ペムテック機の加工事例を中心にまとめたセミナープレゼンテーションの内容はこちらからダウンロードできます。
~ 75号「コークスクリュー」 ~
今からさかのぼること10年前のハノーヴァーEMO2007でのことでした。取引先から紹介された中年男性は、どうもベンチャー企業の社長のようで、一生懸命商品について説明してくれました。
腕をねじりながらコークスクリューのようなものとか熱く語ってくれました。何を言っているかさっぱり理解できずに、その商品がどのような効果をもたらすかも意味不明でした。
当時、
エタロン社(https://www.ykt.co.jp/products/etalon/feature_lasertracer.shtml) Dr.Schwenkeが熱く語ってくれたのは空間補正でした。
彼がコークスクリューと腕をねじりながら見せてくれた動作は、軸動作の軸中心で発生する回転誤差のローリングのことでした。
「三次元測定機で採用されている空間補正はいずれ工作機械にも利用される時代がくる」。あれから10年が経過し、ようやくマーケットが彼の理念に追いついてきたようです。
「工作機械で加工したワークを機上で精度よく計測したい。加工精度も一歩上を目指したい。」このような需要に応えるものとして空間補正が工作機械メーカーだけでなく、工作機械ユーザーにも注目されています。
彼が製品化した空間補正システムレーザートレーサは、空間補正を製造現場で実現する画期的な商品です。10年前のEMOで出会った商品が、保守的な日本の工作機械の製造現場に少なからず変化を起こしています。モノづくりは欧州から新しい発想、技術が生まれ、5年ほど経過した後に少しずつ日本で認知されていく印象をもっています。
今回はどのような新しい技術、製品との出会いが待ち受けているのでしょうか。いよいよ9月18日からいよいよEMOがスタートします。
■展示会情報
2018年1月17日(水) ~ 19日(金) 第47回 インターネプコン ジャパン エレクトロニクス製造・実装技術展
展示会名 : 第47回 インターネプコン ジャパン エレクトロニクス製造・実装技術展
期 間 : 2018年1月17日(水)~19日(金) 10:00~18:00 ※19日(金)のみ17:00終了
会 場 : 東京ビッグサイト
エイテック・テクトロン株式会社 : 東ホール E4-39
名古屋電機工業株式会社 : 東ホール E32-48
エレクトロニクス製造・実装・検査の最新技術が一堂に集結する年に一度のイベントです。
エイテックブースでは、好評を頂いておりますフラックス回収強化を目的とした窒素リフロー炉RN152L-82-RLFを出展します。
名古屋電機工業ブースでは、印刷後3D検査装置NVI-S300、実装2D検査装置NVI-GZ、リフロー後3D検査装置NVI-G300に加え、これら装置をシステム統合し判定後の警告機能を備えたFIBER2-Sysemを出展させて頂きます。
皆様のご来場をお待ちしております。