EMO Hannover 2017(欧州国際工作機械見本市)
YKT取扱製品直前特集
今月はドイツ・ハノーヴァーで9月18日(月)~23日(土)で開催される欧州国際工作見本市EMOに出展する当社の取扱製品について特集します。EMOは1975年から2年毎にハノーヴァー、ミラノ、パリで実施されており、工作機械大国ドイツでの開催は4年ぶりとなります。EMO2017では各社より新製品や新モデルの発表が多数行われます。是非この機会にご来場ください。
見本市会場では当社スタッフが取扱商品の説明対応を行っております。ご来場の際はお声かけをいただければ幸いです。
YKT取扱商品EMO2017出展一覧
メーカー |
ホール番号 |
ブース番号 |
分類 |
BLOHM JUNG |
11 |
B24 |
精密平面及びプロファイル研削盤 |
DAREX |
6 |
L14 |
卓上型全自動ドリル再研磨機 |
DEGEN |
11 |
C19 |
高速ホーニング機 |
ETALON |
6 |
D25 |
三次元測定機 & 工作機械空間補正システム |
GRAF TECHNIK |
11 |
C87 |
湿式ブラスト処理装置 |
GHIRINGHELLI |
11 |
D21 |
センタレス研削盤 |
HAMUEL |
13 |
A13 |
タービンブレード専用複合加工機 |
HAUX |
6 |
H90 |
高速ハイス工具研削盤 |
INDEX |
17 |
D03 |
複合加工機及び自動旋盤 |
KELLENBERGER |
11 |
C78 |
複合円筒研削盤 |
LASERPLUSS |
4 |
A10 |
ダイヤモンド工具レーザー加工機 |
MAEGERLE |
11 |
B24 |
生産型グライディングセンタ |
MAGNETFINISH |
4 |
E104 |
切削工具表面仕上げ装置 |
PEMTEC |
13 |
B96 |
精密電解加工機 |
PLATIT |
5 |
B60 |
PVDコーティング炉 |
QVI |
6 |
D02 |
光学式3次元非接触測定機 |
RIELLO |
12 |
E49 |
ロータリトランスファマシーン |
ROLLOMATIC |
6 |
H12 |
精密切削工具の製造システム |
SCHAUBLIN |
5 |
A70 |
振れ調整機能付きチャック及びコレット |
STRAUSAK |
6 |
K11 |
砥石自動交換システム搭載工具研削盤 |
VICI VISION |
6 |
D12 |
シャフト部品専用立形光学測定機 |
HALL4
切削工具仕上げ装置 (ホール4 / 小間番号E104)Magnetfinish / マグネットフィニッシュ
-ドリル及びエンドミルの刃先ホーニングで日本の工具の高付加価値に貢献-
マグネットフィニッシュ社製工具表面処理装置MF63CRの実機出展
超硬、ハイス、ダイヤモンド&CBN工具、ソーブレードなど様々な工具に対応
研磨剤とダイヤモンドのハイブリッドパウダーをメディアに利用し、磁性フランジでワークを仕上げます。高い処理能力で微細なものに特に有効で、特にコーティング後のドリルドロップ除去では日本で多く採用されています。出展機のMF63CRは新たにロボットセルが組み込まれ、ロロマティックなどの工具研削盤のパレットを直接利用できるようになり、さらに超音波洗浄とドライステーションの追加が可能となりました。
HALL5
PVDコーティング装置・高速除膜システム (ホール5 / 小間番号B60)Platit / プラティット
アークとスパッタの融合、用途に応じて被膜硬度を調整
-新たなコーティングシステムが11シリーズから登場-
進化を続けるプラティットのコーティング。LACSテクノロジーによりアークとスパッタの同時コーティングが可能となりました。ボロン(BorAC)やTiB2、Wなどが使用でき、新たなコーティング膜の開発に大きく貢献します。アークとスパッタの融合は幅のある内部応力の直接制御を実現し、用途に応じて被膜硬度を調整できます。
「ターンキー」コンセプトのもと、プラティットはコーティングシステムの周辺機器も豊富に取り揃えています。脱膜システムCT40はその代表機で、驚異的な脱膜時間の短縮とコバルト浸出の抑制、超硬CrTiN, AlCrTiNの脱膜を実現します。
振れ調整チャック及び精密コレット (ホール5 / 小間番号A70)Schaublin / シャブリン
SCHAUBLINが研削業界向け新製品をEMOで初公開
コレットの振れの問題はシャブリンの振れ調整機能付きチャックで対応。国内の工具研削盤にも搭載が増えています。
コレットの精度不良は振れ調整機能付きチャックSRSが簡単、短時間に修正します。
HALL6
卓上型ドリル再研磨機 (ホール6 / 小間番号L14)DAREX / ダレックス
1.5分で簡単にドリルを再研磨、バリ取りも自動-卓上型CNC4軸XPS16+を実機展示-
砥石に過度の負荷がかからないよう最適な送り条件を自動設定し、乾式でありながら焼けを防止しつつ短時間で再研磨します。作業者の経験を問わず誰でも簡単に扱えるため、社内での再研磨に威力を発揮します。一般的な卓上型再研磨機より3倍速い再研磨時間をご覧下さい。
材質 |
外径 |
取り代 |
ポイント角 |
シンニング |
バリ取り ホーニング
| 合計時間 |
HSS |
16mm |
0.13mm |
118° |
X型 |
3秒 |
1分28秒 |
超硬 |
10mm |
0.15mm |
135° |
X型 |
3秒 |
1分30秒 |
空間補正・距離測定システム (ホール6 / 小間番号D25)ETALON / エタロン
全自動空間誤差測定システムLineCalをEMO初出展!
空間誤差補正の代名詞ドイツ・エタロン社は最新機種LineCalをはじめ、空間補正システムLaserTRACER NG、絶対測長Absolute Multilineを展示します。
新製品LineCalは10~500 cmの軸ストロークに対応し、三次元測定機、工作機械、放電加工機を対象にした空間誤差測定機です。約40分で空間誤差を全自動で測定します。さらに補正後には、同じセッティングを利用して、ISO10360、ISO230などの位置決め測定にも対応しています。
加工範囲中心部の誤差を改善するピッチ補正で製造された工作機械、その精度を大幅に向上させるエタロンの空間補正。5軸及び大型ワーク加工に多くみられる空間誤差にはエタロンの空間補正システムレーザートレーサシリーズが有効です。2010年に日本の三次元測定機に初めて導入された本シリーズは、17年6月までに累計160台が販売されました。市場をリードする三次元測定機メーカーでエタロンの空間補正が多く採用され、工作機械にも同様のアプローチが増えています。機械的な精度作りでは達成できない精度に到達できる、工作機械の機上計測に三次元測定機のエタロン空間補正システムを活用するなど注目は高まっています。
絶対測長計Absolute Multilineも実機出展いたします。ビームが遮断されても不確かさ0.5ppmを維持するAbsolute Multilineを機内にあらかじめ搭載しておくことで、工作機械、三次元測定機の完全自動位置決め測定が僅か20分ほどで可能です。毎朝、機械の精度を確認してから、加工や測定をすることができ、位置決め誤差が不十分な場合、作業者が各軸のスケール誤差、直角度を工作機械に直接補正することもできます。この夢のような未来のモノづくりが欧州重電大手メーカーで今年運用が開始されています。
9月21日11時10分から VDMAフォーラム “精密大型部品のための工作機械のセルフモニタリング“ Etalon社Dr.Schwenke社長によるドイツ語のプレゼンテーションが予定されています。
光学式3次元光学式測定機 (ホール6 / 小間番号D02)QVI / キューブイアイ
SmartScopeシリーズ上位機種で、驚異の追従性を誇るTelestar TTLレーザーを搭載したVantage 300を出展
精度と自由度を併せ持つSmartScopeVantage300はゆとりのある測定領域、最新の光学系を搭載し、TTLレーザーやスキャニングプローブなどのマルチセンサ仕様です。
また、新世代マルチセンサ三次元測定ソフトウェアZONE3もご覧いただけます。こちらはマルチセンサやロータリーインデックスに完全対応した、三次元CADモデルによる測定プログラムの作成が可能な測定ソフトウェアです。
「幾何公差」の図面記載の重要性がますます高まるなか、幾何公差のスムーズな管理を実現するKOTEM EVOLVEソフトウェアも展示予定です。
精密切削工具の製造システム (ホール6 / 小間番号H12)Rollomatic / ロロマティック
ロロマティックは精密工具製造の自動製造の要求に応えつつ、Industry4.0へのソリューションを提案
ロロマティック機をネットワークで一元管理し、統計データ、機械の稼働率、アラーム履歴に対応しています。
PCDやCVD、CBN工具のレーザー加工にLaserSmart501が、LaserSmartシリーズのラインナップに新たに加わりました。シャープでクリアなカッティングエッジに加え、丸ランド、チップブレーカーエッジのような工程を必要とするPCD工具でも、ワンチャックで全加工します。運用に適したワークホルダ付きダイヤモンド工具の全自動加工に対応します。
5軸制御の工具研削盤が多い中、ロロマティックのハイエンド工具研削盤GrindSmart 629XSと629XWは6軸制御にこだわっています。追加される1軸は複雑な工具形状、逃げ角への対応を可能にし、ボールエンドミルの加工において、砥石の研削ポイントを一定にした精密加工が可能です。オペレータの段取り作業の軽減、自動補正による精度の安定を生む機能に加え、砥石自動交換システムXWでは、搭載できる砥石枚数を大幅に増やし、ダウンタイムを抑制する新たな砥石パックも披露します。
スマートパンチの研削プロセス(特許申請済)を携えた5軸円筒研削盤ShapeSmart NP5が複雑な非円筒パンチピンやタップ、ダイス、プレスや金型加工の工具を生み出します。
工具研削盤 (ホール6 / 小間番号K11)Strausak / ストラウザック
複雑工具の少量生産向け工具研削盤U-Graindを展示
工具研削盤メーカーに最も評価される工具専用ソフト ヌムロトプラスと複雑な工具の少量生産への対応をご覧いただけます。
シャフト部品専用立型光学測定機 (ホール6 / 小間番号D12)VICIVISION / ヴィチ・ビジョン
最新シリーズMTL TECHNO Seriesを展示
簡単かつ確実に不良品の発生を抑制する方法は、加工したワークを製造現場で迅速に測定し、補正量を加工機にフィードバックすることです。それを実現したヴィチ・ビジョン社のシャフト部品専用立型光学測定機。簡単操作で短時間にシャフト部品をワンチャック測定します。ワークをご持参いただければ、その場で簡単プログラムから測定結果出力までの流れをご紹介することもできます。最新シリーズMTL TECHNO Series他、多数実機出展いたします。
HALL11
高速ホーニング盤 (ホール11/小間番号C19)Degen Maschinenbau / デーゲン
-仕上げホーニングツールだけの高速ホーニング加工-
デーゲン社製高速ホーニング盤Vision Ultimate RRの実機出展
-ワンツール&ワンプロセスによるコスト削減-
通常のホーニング加工は粗、中仕上げ、仕上げといった工程ごとに複数のホーニング盤を使用しますが、ドイツ・デーゲン社製の高速ホーニング盤はたった1本の仕上げホーニングツールでホーニング処理を完結、加工時間を大幅に短縮します。今回出展のVision Ultimate RRはロータリトランスステーション式です。従来のホーニングと比べ、革新的な高速ホーニングの実演加工をご覧いただけます。
センタレス研削盤 (ホール11 / 小間番号D21)Ghiringhelli / ギリンゲリ
切削工具ブランク、精密シャフト加工向け
Industry4.0対応―ECO-COMPATIBILITY―
CNCセンタレス研削盤のパイオニアであり、最適なアプリケーションの提案により、切削工具、自動車、航空宇宙、ベアリング、モーターの用途で幅広く利用されています。
今回はKUKA製関節ロボットを搭載したAPG-S CNC 7Aの実機展示を予定しております。
湿式ブラスト処理装置 (ホール11 / 小間番号C87)Graf / グラフ
湿式ブラスト処理装置Standard Automaticを実機展示します
ホブ、インサート、エンドミルなどの刃先処理、バリ取りなど多種多様なアプリケーションに対応する湿式ブラスト処理装置Standard Automaticを出展いたします。日本の工具メーカーだけでなく、世界的なビッグネームに多数の販売実績がある湿式ブラスト グラフ機の実演加工が見られる貴重な機会です。
円筒・内面研削盤 (ホール11/小間番号C78)Kellenberger / ケレンベルガ
今年100周年を迎えるケレンベルガがEMOにて新商品群を世界初披露
EMOにて公開される新機種Kellenberger 100はVitaやVista、Tschudin T25といった名機を集約したものです。Fanuc最新のコントローラを搭載し、10種類のコンパクト研削ヘッドから適したものを選択可能です。研削出力は出力11.5 kW、砥石外径500㎜、内面用HFスピンドルを搭載しています。芯高200mm、両センタ間仕様1000mm、150 kgのワーク重量に対応します。
Kellenberger1000は芯高300mm、両センタ間仕様1600 mm、300 kgまでに対応する円筒研削盤です。X、Zスライドに加え砥石旋回軸受にも静圧軸受が採用され、Variaはサブミクロンで制御が可能な最高峰の円筒研削盤に位置付けされ、円筒研削盤でありながら、ジグ加工、砥石ヘッド旋回B軸を利用したコンタリング加工も可能で、高い自由度をもちあわせています。
グラインディングセンタ (ホール11 / 小間番号B24)Maegerle / メーゲレ
5軸グラインディングセンタの新モデルMFP51をEMOにて発表
国内では研削というと最終仕上げの利用が多い中で、メーゲレ機は高付加価値部品の高速量産加工機としてタービン業界、自動車業界、油圧業界に数多くの実績を残しています。そのメーゲレのグラインディングセンタに新たな機能が加わった新モデルMFP51がさらに加工の幅を広げてくれます。66本の工具自動交換システムを内蔵し、砥石、ダイヤモンドロール、計測用プローブ、ドリル、エンドミルなどの切削工具が搭載できます。12,000 rpmの高速スピンドルが効率的な加工を提案します。
HALL12 HALL13
ロータリトランスファマシーン (ホール12 / 小間番号E49)riello sistemil / リエロ
自動車部品の量産機械加工向けトランスファTFL400バーチャル出展
全加工ユニットCNC制御量産加工ステーション式トランスファーマシンTFL 400。本物の機械がそこにあるかのようなバーチャルワールドを体験していただけます。
ブレード専用複合加工機 (ホール13 / 小間番号A13)Hamuel / ハミュール
ハミュールで歪みを抑制した良質な翼面複合加工
ブレードの加工中に発生する歪みを逃がし、加工時間も短縮
欧州大手発電メーカーと共同開発されたハミュール機は、ユーザーのニーズに応え、品質の良いブレードを高速に加工することを追求します。航空機業界用のスチールとインコネルの複合材の加工を予定しています。
精密電解加工機 (ホール13 / 小間番号B96)PEMTEC / ペムテック
PEM800シリーズを出展
高硬度材、難削材の量産部品をバリなく、結晶構造変化なく、電極消耗なく精密加工をする精密電解加工機のペムテック。精密電解加工機の実演加工を予定しています。
HALL17
複合旋盤・多軸自動盤 ホール17 / 小間番号D03INDEX / インデックス
新製品ユニバーサル・ターニングマシンB400が世界初登場!
当社史のルーツでもある世界最大の旋盤専門メーカー インデックス社はホール17のD03ブースに合計15機種を出展します。特に新商品INDEX B400やMS40C-8、TRAUB TNL20シリーズが注目機種です。
-汎用性を追求したB400-
少量生産を意識したパワフル新機種
-TRAUB TNL20シリーズ-
固定及び移動型主軸台搭載複合旋盤
バー材、ロボットによるローディングの選択肢があり、最大4か所の同時加工が大幅な加工時間の短縮を生みます。
-ハイエンド複合加工機G200-
最小スペースで最大のパフォーマンスを見せるターニングとミーリング。最大4か所の同時加工とパワフルミーリング 7,200rpm, 22kW/52Nmが高い加工能力を実現。
-最高の生産性多軸自動盤MS40-8-
バー材径40mmまでに対応し、8スピンドル仕様で新たに登場。全軸CNCによる柔軟性と高い生産性がユーザーの要望にベストマッチします。
ホール25のINDEXブース(B60)ではIndustry 4.0をテーマにした展示をご覧いただけます。
~ コークスクリュー ~
今からさかのぼること10年前のハノーヴァーEMO2007でのことでした。取引先から紹介された中年男性は、どうもベンチャー企業の社長のようで、一生懸命商品について説明してくれました。
腕をねじりながらコークスクリューのようなものとか熱く語ってくれました。何を言っているかさっぱり理解できずに、その商品がどのような効果をもたらすかも意味不明でした。
当時、
エタロン社(https://www.ykt.co.jp/products/etalon/feature_lasertracer.shtml)Dr.Schwenkeが熱く語ってくれたのは空間補正でした。
彼がコークスクリューと腕をねじりながら見せてくれた動作は、軸動作の軸中心で発生する回転誤差のローリングのことでした。
「三次元測定機で採用されている空間補正はいずれ工作機械にも利用される時代がくる」。あれから10年が経過し、ようやくマーケットが彼の理念に追いついてきたようです。
「工作機械で加工したワークを機上で精度よく計測したい。加工精度も一歩上を目指したい。」このような需要に応えるものとして空間補正が工作機械メーカーだけでなく、工作機械ユーザーにも注目されています。
彼が製品化した空間補正システムレーザートレーサは、空間補正を製造現場で実現する画期的な商品です。10年前のEMOで出会った商品が、保守的な日本の工作機械の製造現場に少なからず変化を起こしています。モノづくりは欧州から新しい発想、技術が生まれ、5年ほど経過した後に少しずつ日本で認知されていく印象をもっています。
今回はどのような新しい技術、製品との出会いが待ち受けているのでしょうか。いよいよ9月18日からいよいよEMOがスタートします。