先日開催されました第28回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2016)では、ご多用のところ弊社ブースにご来場いただき誠にありがとうございました。
おかげさまで盛況のうちに終了することができ、これも皆様のお蔭と深く感謝いたしております。不行き届きの点もあったことと存じますが何卒ご寛容のほどお願い申し上げます。
「見つかるソリューション-Top of ニッチ-YKT」をテーマに出展した最新鋭、最高水準の機械をはじめ、当社の提案型営業や技術サービスをもって皆様の「ものづくり」に貢献できますよう、一層努力して参ります。
今後ともご高配を賜りますようお願い申し上げます。
平成28年12月
YKT株式会社 社員一同
2011年8月23日初版から早5年、「細く長く」をモットーにおかげさまで12月号を迎えることができました。今年最終号は、2016年のYKTかわら版で反響のあった記事を集めてみました。暮れゆく年を振り返るとともに、皆様にとって来年が良い一年になりますよう祈念します。
~ 62号「さて、困った。」 ~
自分で言うのもなんですが、私はこつこつ真面目な冷静沈着タイプで、社内で私をロボットのようだと評価する人がいます。
中国に赴任後、週末には中国語のレッスンを受け、発音に苦労していますが、今日まで続けています。先日の日曜日の朝、中国語のレッスンに行こうとして自宅のアパートのドアを開けようとしましたが、何故か開きません。「あれ、おかしいな」鍵を何度も開け閉めし、ドアを力いっぱい押してみましたが、やっぱり開きません。
レッスンのこともあるので、さすがの私も少し焦ってきて、ドアノブを外してみましたが、やっぱりドアは閉ざされたまま。レッスンはあきらめて、部屋で冷静になって考えてみましたが、どうも自分の部屋ですが、閉じ込められてしまったようです。
まさかこんなことが起こるとは思ってもみませんでした。地上階ではないのでベランダから飛び降りるわけにもいきません。このままとじ込められたままかもしれないと思い、冷蔵庫の残りものを思い浮かべました。どうしたものかと考えてみましたが、普段お世話になっているローカルのスタッフの顔が思い浮かびました。
電話で事情を話し、彼が鍵屋さんを呼んでくれました。鍵屋さんはいとも簡単にドアのシリンダーを外し、新しい鍵の取り付け工事があっという間に終わりました。工事代の8000円は大家に請求するとして、中国語のレッスンは一回分損してしましました。
日本ではなかなかないことですが、鍵のトラブルは中華圏ではよくある話のようです。同僚は台湾で泊まったビジネスホテルで部屋の鍵が開かず、ルームカードが悪いかと思いましたが、ホテルの受付の人がきても鍵が開きません。どうも、外側からドアが開かなくなったようで、ホテルの受付の人が、隣の部屋に侵入し、映画のようにベランダをつたって、内側から部屋の鍵を開けてくれたこともありました。
私も技術屋の端くれとして、今回の迅速な作業に鍵屋のプライドをみたきがしましたが、一方でこんなに簡単に鍵があくようでは、鍵の意味はないなとも思うのでした。
鍵を心から信頼できるのは、日本製の鍵の品質の中で育ったからなのですね。
~ 61号「私の、ビビってるんですか」。 ~
2016年度YKT新入社員研修は約2か月かけて行われ、その一環として埼玉ポリテクセンターで、金属加工研修を受講しました。今年のテーマは「文鎮」作り。旋盤、フライス盤、ボール盤を用いて工作機械と金属加工の基礎を学びながら、課題の「文鎮」を製作しました。
その中で普段使っている言葉が、金属加工業界では違った意味で使われている場面に遭遇します。
「あ、ビビリが出てるね」と、先生が私の文鎮をみて一言。
はて、いつから文鎮は「ビビる」ようになったか。
「先生、私の文鎮はビビって…いるんですか?」
「うん、ここ、ここ」
フライス盤で削ったばかりの面を覗きこむと、等間隔に細かく弧が刻まれている。
どうやら、この文様が現れることを「ビビリが出る」というらしい。
私の文鎮は怖がってビビっているのではなく、回転数が足りなくてビビっていました。
せっかく作った文鎮ですが、錆止めのオイルで濡れ、紙の上に置くと紙が油で汚れてしまいます。使う前はオイルをふき取らなければなりません。今では置き場所に困って、カステラがはいっていた紙袋の中に布にまかれて机の下に置いたまま。今年の大掃除で処分予定ですが、そんな私の文鎮は今もビビったままです。
~ 60号「こんな長いの初めて」 ~
タイでタクシーに乗っても、領収書をもらうのは一苦労で、なかなかもらえません。タイの旅程を無事に終え日本に帰国する朝を迎えました。宿泊していたスクインビットのナナ駅の近くのホテルからタクシーに乗り、早朝の移動なので渋滞もなく、約25分でバンコクの空港に着きました。ダメ元でレシート下さいと言ってみました。すると、一週間分のレシートが車に残っていたようで、ちぎるのも面倒くさいので一緒に持って行けという感じで、こんな長いのをもらいました。まさにレシートの一本釣りですが、もちろん、経費の精算は短いレシートでしました。
~ 63号「間違いを前提とし、あとで正しく補正する仕組みがスイスの駅でみることができます。」 ~
私は社内で電車オタクとして知られています。なかなか他人には他人の楽しさを理解できないものですが、私の幸せは、新幹線にのって移り変わる景色を見ることです。不甲斐なく睡魔に負けたとしても、景色を見ると、今どの辺を通過しているということが分かるので自己満足ですが、優越感に浸ります。先日、久しぶりにスイスに出張に行きました。スイスの電車の移動は、電車好きの私には楽しみの一つです。
事前に列車の発車時刻も調べ準備万端、10分前には駅に到着し列車が来るのを待ちます。その時でした。ふと駅の時計を眺めていると、赤い秒針が12時の位置にくると、瞬間止まってまた動き始めるではありませんか。時計自慢のスイスでしかも正確さが求められる駅の時計なのに、整備が悪いなぁと思いつつ、別の駅でも時計を見てみると、やはり12時の位置で秒針が一端止まりまた動き出すではないですか。
後から知ったのですが、実はこれ、故障ではなかったんです。
電車の駅の時計にはもちろん正確さが求められます。今でこそ電波時計やGPSの技術で時計はより正確になっていますが、鉄道開業当時はそのような技術がない時代です。正確さを実現する為に、秒針を少し早く動かせ、あえて誤差を大きくし、12時の位置に来たら待機。すると管理センターにある基準時計からパルスが発せられ、各駅にある時計はこれを受信し再び動き出す仕組みが採用されました。
この様にしてすべてのスイスの電車の駅の時計は正確さが保たれ、今日でも秒針が12時でいったん止まってから再び動作をしているのです。今度、スイスで電車を利用する時は、しばらく12時で一旦停止する秒針と秒針が動き出すと同時に合わせたように動く分針の動作を眺めてみてください。
間違いを前提にし、後で補正をすることで正常な機能を果たす。日々、我々が接している工作機械やものづくりの現場にも通じるものがあるなぁーと思うのでした。
~ 64号「Poor Joke from Chicago」 ~
私は海外出張が多い方で、月に一度は海外にいきます。スイス、ドイツ、東南アジア、中国、アメリカとこれまでいろんなホテルに泊まりましたが、今回、シカゴのホテルで、よく理解できない英文を見つけました。このような小さなことですが、知らなかったことに出会えるのが旅の楽しみの1つです。今も釈然としないところはありますが。
写真は、ホテルの部屋を掃除しないでください、してくださいというドアノブにかけるものです。
NOT NOW. I ‘m solving the budget deficit.今はだめ、財政赤字の立て直し中。
COME ON IN. I'm out buying a bigger calculator. 入ってきて。大きな計算機を買いに行っています。
とあります。Bigger calculator? なんのことやらと思って、知り合いのアメリカ人にきいてみました。彼の解釈によると
NOT NOW. I ‘m solving the problem of national debt. This is a complex problem and I am not to be bothered….Later.
今はだめ、国の負債の立て直し中なので、邪魔しないで。つまり、掃除は後で。まぁ、意味は分かります。
COME ON IN. The amount of national debt is such large sum of money must go shop for a calculator that has many more numbers on it.
budget deficit.
国の負債を取り扱えるような、沢山の桁が表示される計算機を買いに行っているので、入ってきて。
アメリカ人の彼にもこれは、poor jokeとのことでしたが、何事も真面目に理解しようとしないで、まぁ、そんなものかぐらいの理解にとどめるようにしました。このJokeで笑えた方は、シカゴと相性良さそうですよ。
~ 58号「ロリエ社で見つけた小径ドリルの振れを抑える工夫」 ~
工具製造設備のことはプロに判断いただくということで、第一回工具ツアーを企画し、切削工具メーカー一行とユンカー、ワルター、ギューリングなどの著名メーカーを訪問しました。訪問先の1つにロロマティック社の前身のロリエ社がありました。同社はもともと時計部品の受託加工をしていましたが、市販工具に良質のものがなく、自社でドリルや小径特殊工具を製造したところ、同業者の評判となり、小径工具の製造に必要な研削盤を製造していました。当時、振れの問題に苦慮していた日本の工具メーカーは、ロリエの工場でパートの女性がいとも簡単に振れを抑制した小径ドリルを加工している光景を目にします。同社の工具の振れ止め方法が高く評価され、すぐに購入できないかとの依頼がありました。当初、ロリエ社は日本への機械販売には消極的でしたが、日本への販売の道が開かれていきます。
~ 64号「イギリスの多軸自動盤」 ~
当社は創業から世界最大の旋盤メーカードイツのインデックス社の自動盤を取り扱ってきました。しかし、インデックスは単軸自動盤メーカーとして知られ、多軸自動盤は1975年から販売を開始しました。それまで当社にとって多軸自動盤といえば1951年から取引を開始したイギリスのWickmann(ウィックマン)でした。多軸自動盤に部分的NCが搭載される1990年代後半でした。それまで、刃物台の直動のストローク量はカムの段差で制御されていました。そのため加工する製品ごとにカムを交換する必要がありました。そんなカム交換があたりまえの時代にクオドラント機構という世界パテントをひっさげ、多軸盤の市場をリードしたのがウィックマンでした。クオドラント機構は、レバー比調整のみで直動動作の全ストロークを変更する仕組みで、製品ごとにカムを交換する必要のない画期的なものでした。このユニークな技術が評価され、日本へも多くのウィックマン製多軸自動盤が輸入され、今日も稼働を続けている機械もあります。しかし、当時は評価された技術でしたが、時代は移り変わっていくことになります。
進化論を説いたチャールズ・ダーウィンが次のような言葉を残したそうです。“It is not the strongest of the species that survives, nor the most intelligent, but the one most responsive to change(生き残るものは、最も強いもの、知的なものではなく、変化に対応できるものである)。当時、Wickmannは、すでに最高の機械を製造しているという社風があり、この誇りがその後の機械開発を停滞させていくことになります。
■57号製品紹介「シングルツールの高速ホーニングでリードタイムの短縮」
デーゲン社シングルツールの高速ホーニングでリードタイムの短縮
通常ホーニングはいくつものツールを経て加工されますが、デーゲン社製高速ホーニングはシングルホーニングツールで粗から仕上げまで行い、処理時間を大幅に削減します。
今回はホーニングツールD46 一本で僅か12秒でオイルポンプ部品をホーニング処理する事例を紹介します。
オイルポンプ部品 焼結材料Ø 10 x L 18mm 取り代 φ105µm
内径公差 | +/- 2 µm Cmk 1,67 |
真円度 | < 2 µm Cmk 1,67 |
円筒度 | < 3 µm Cmk 1,67 |
直角度 | < 15 µm Cmk 1,67 |
面粗さ | < Rz 4 µm Cmk 1,67 |
ホーニングツール | D 46 一本 |
サイクルタイム(部品から部品) | 12 秒 |
■60号製品紹介「シャフト部品専用立形光学測定機のMTLシリーズ」
ヴィチ・ビジョン社現場測定で不良を削減するために不可欠な5つの機能
JIMTOF2016にシャフト部品専用立形光学測定機のMTLシリーズを出展します。
MTLシリーズは現場測定で不良を削減するために不可欠な5つの機能を持っています。
機械技術2016年6月号にヴィチ・ビジョンの記事が掲載されました。下記からデータをダウンロードできます。
□ 製造現場の環境適応
□ 簡単、短時間測定
□ 信頼のおける測定データ
□ ワンチャック測定
□ 測定データの有効活用
□ 製造現場での利用に適しているか
製造現場の温度変化に対応するため、ゲージを内蔵し、熱源となる配電盤を遮断するエアーカーテンは装置自体の熱変位を抑制します。
エアーカーテン冷却(横からのイメージ)
□ 簡単、短時間測定が可能か
長尺ワークの簡単ローディングを追求した立形構造、測定データ取得まで、僅か30秒です。
□ 信頼のおける測定データであるか
測定機の精度は定期的に校正されたゲージで管理されます。オペレータのスキル不問のバリ排除機能により、信頼性のあるデータが短時間に生成されます。
□ ワンチャックで必要な測定項目を測定できるか
径、長さ、角度、円弧、カム・ネジ形状、真円度、円筒度、プロファイルのDXFデータ比較等、様々な静的、動的測定要求に応えます。
□ 測定したデータを有効活用できるか
測定データは履歴として記録され、統計的な精度管理、測定レポートとして出力され、社内データだけでなく、クレーム対策も担います。
■展示会情報
2017年1月18日(水) ~ 20日(金)
第3回自動車部品&加工EXPO
展示会名 : 第3回自動車部品&加工EXPO
期 間 : 2017年1月18日(水) ~ 20日(金) 10:00~18:00 (最終日は17:00まで)
会 場 : 東京ビッグサイト
ブース : 東7ホール E64-57
自動車産業に特化した加工技術や部品の展示会です。当社は「シャフト部品専用立形光学測定機のMシリーズ」を出展します。現場測定で不良を削減するために開発された装置でφ240×長さ625㎜まで対応します。その他、複合円筒研削盤ケレンベルガ、量産型円筒研削盤チューディン、多軸旋盤&複合加工機インデックスのサンプルも展示いたします。皆様のご来場をお待ちしております。
■展示会情報
2017年1月18日(水)~20日(金)
第46回 インターネプコン ジャパン エレクトロニクス製造・実装技術展
展示会名 : 第46回 インターネプコン ジャパン エレクトロニクス製造・実装技術展
期 間 : 2017年1月18日(水)~20日(金) 10:00~18:00 (最終日は17:00まで)
会 場 : 東京ビッグサイト
エイテック・テクトロン株式会社 : 東ホール E4-28
名古屋電機工業株式会社 : 東ホール E21-46
エレクトロニクス製造・実装・検査の最新技術が一堂に集結する年に一度のイベントです。
エイテックブースでは、フラックス回収強化を目的とした新型窒素リフロー炉RN152L-82-RLFを出展します。
名古屋電機工業ブースでは、印刷後3D検査装置NVI-S300、実装2D検査装置NVI-GZ、リフロー後3D検査装置NVI-G300をそれぞれ展示するとともに、判定後の警告機能を備えたFIBER2-Sysemをご覧いただけます。
皆様のご来場をお待ちしております。
■YKT Europe
YKT Europe
「貴社商品をヨーロッパ市場に発信いたします」。
ヨーロッパで貴社製品の販売を検討中の皆さま、また既存のルートからさらに販売力向上を目指す皆さま、YKTのドイツ法人であるYKT Europe GmbHでは、Innovation from JAPANをテーマに日本企業の皆さまのユニークで革新的な商品をヨーロッパ市場にて販売するお手伝いをしています。
日本語対応可能で、これまで築いてきたネットワークを利用した英語とドイツ語での営業活動はもちろん、WEB媒体を通じた情報発信や欧州展示会への出展など、皆さまの商品をヨーロッパ市場および周辺諸国へ発信してまいります。
ご興味のある方はぜひお気軽にお問合せください。